今回は、結局何がやりたかったのかが分からなかった。
柴田一の元同僚の村井の娘、優子をメインに進めているのだが、父と娘の絆があまり感じられなかった。
途中、優子の過去話として彼岸花ネタがあったが、あれが何を意味するのかが全く分からなかった。
何故、優子は彼岸花を摘もうと思ったのだろうか?
父親の為なのだろうが、どうして父親の為に彼岸花を摘んだのだろう?
その辺りの事情が示されていなかったのは残念だ。
(後になって調べたのだが、彼岸花を仏壇に飾る事もあるらしい。そうなると、優子は亡くなった母親の仏壇に飾る積りで彼岸花を摘んだのではないかと思われる。もしそうであれば、そういう説明があった方が親切だと思う。)
あと、父親が優子を叱ろうとするシーンも、父親が優子をどれだけ愛しているのかが伝わりにくかった。
例えば、こういう描き方をしたらどうだろう?
優子が彼岸花を摘んで、帰宅が遅くなってしまった。
だが家のどこにも父親は居ない。
「お父さん、どこに行ったんだろ?」
優子は父親が帰ってくるのを待った。
1時間、2時間・・・夜はどんどん更けて来る。
優子が待ちくたびれてうとうとしかけた頃、玄関のドアが開いた。
ようやく父親が帰ってきたのだ。
「お父さん、遅いよ!どこ行ってたの?」
玄関に行くと、そこには服は泥だらけで木の実をいっぱい付け、顔は木の枝でひっかけたのだろう、傷だらけの憔悴した姿の父親が立っていた。
父親は優子を見ると、駆け出し、優子を強く抱きしめた。
「バカやろう!今までどこに行ってたんだ!」
「優子がなかなか帰ってこないから、父さん、あちこち探してたんだぞ?」
優子が顔を上げると、涙でぐしょぐしょの父の顔があった。
マスコミ時代はもちろん、農業を営む現在でも、作物が実らなかった時や虫に食われて作物が全滅してしまった時でも、どんな苦しい時でも絶対に泣く事は無かったあの父親が、優子を心配して泣いたのだ。
父親が泣いている姿を優子が見たのは、優子の母親が亡くなった時以来だった。
優子は父親がどれだけ自分を愛しているのかを知り、声を上げて泣いた。
また、隣人の関根を悪人に見せるように話を進めていたが、正直、僕の中では関根=極悪の図式には到らなかった。
それまでの関根の描写は、父親をなくした優子が語った関根の描写なので、関根に対する恨みで脚色されている可能性がある。
そこを差し引くと、最終的に関根の悪意がはっきりと分かったのが、優子を土地から追い出す為に訪問したシーンだ。
そこで初めて、関根が悪意を持って村井をハメたのだと分かった。
最後の方で関根が極悪人だと分かっても、そこから優子に父親の仇を取ってくれ!とは思えなかった。
できれば、最初の段階で関根の極悪っぷりを優子が知り、それを父親に何度も伝える描写や、優子が父親に関根に騙されている、と何度言っても父親が全く信じないという描写や、優子が苦しい時や悲しい時に父親が優子を一生懸命に励ますような描写を入れれば、視聴者の関根に対する憎しみが湧いたと思う。
見所
優子
厚い唇がセクシー
閻魔あい
カテゴリ:地獄少女