日曜日, 1月 15, 2006

地獄少女 14話

ここ最近の地獄少女は、つぐみが見た地獄少女の風景から、柴田が地獄少女を呼び出した人間に復讐を止めるよう、説得するパターンが多い。
今回もそのパターンで、とある町の役場の職員の娘、沙樹が町長とその息子(助役)の不正を暴こうとしたが、自殺に見せかけられて殺され、娘が地獄少女に復讐を依頼した後から物語が始まる。

物語が始まると、柴田が事件の関係者に取材して、事件の背景を洗っていく。
町長と助役が不正をした裏には、地元のヤクザに町の老人ホームを潰さないように働きかける為で、それは町長のエゴとも言えるものだった。(当然とも言えるが、老人ホームの入居者には受けが良い。町の住人も町長は人徳者だと思っている。)
沙樹は、父親が町長と助役の不正を知った後、娘の将来の為に、町長から金を強請ろうとしていた事が分かる。
それぞれの立場を柴田は沙樹に明らかにした上で、沙樹に復讐を思いとどまるように言うが、沙樹は復讐を行う。

僕は全体を通して見て、作りこみが甘いのではないかと感じた。
柴田は、真相を知った上で、町長や助役の行動も、も沙樹の父親の行動もどちらも正しいのではないか?といった意味合いの言葉を出した。
だが、僕には柴田ほど、町長と助役の立場も、沙樹の父親の立場も理解できなかった。
確かに、30分(正味25分程度?)で町長や助役の考え(町長なら、町をどう思っているのか?町をどうしていきたいのか?助役なら、父親である町長の方針をどう思っているのか?間違いで無いと思うなら、どうして間違いでないと言えるのか?)、沙樹の父親の想い(自分が町長を恐喝して金を得る事に対しての後ろめたさは無いのか?後ろめたさをどうやって誤魔化すのか?等)を描くのは無理だろう。

描くとするならば、町長と助役を中心に描くべきだと思った。
町長と助役の目線で、暴力団との交渉や老人ホームの訪問、沙樹の父親との交渉、沙樹の父親を殺すシーンを描いた方が、真相をより理解する事ができるのではないだろうか?
彼らを描いた上で、沙樹が町長と助役に食って掛かるシーンを入れる。
自分は老人達を守る為に、この娘の父親を亡き者にしてしまった。
自分たちは、彼女の父親を殺して良かったのだろうか?多少強請られはしても、金を握らせて黙らせておいた方が良かったのではないか?と、自問自答するシーンを入れると効果的ではないだろうか?


この作品が、最終的にどこに向かおうとしているのかは分からないが、僕はどうしても中途半端な印象を拭いきれない。
(この作品の全体的なテーマが見えて来ないからかも知れない。もしかして、「復讐イクナイ」だったりするのだろうか?だとしたら、復讐を考えるキャラク
ターは全員と言わないまでも、1人が2人位は復讐を思いとどまるような話にするべきだと思う。確かに、10話では復讐を思いとどまったが、結果的に友達
(?)を地獄送り&それを自己正当化していた。またはもしかすると、「人間の弱さ」をテーマとしているとか?死んでから味わう地獄の恐怖より、目先のほんの一瞬の苦しみから逃れたいばかりに人形の赤い糸を解いてしまう人間の心の弱さを主題に置いている?)
僕は、単純に地獄少女が依頼者の望みのまま、いろんな形で復讐する相手にお仕置きしていった方が面白いのではないかと思う。
復讐する相手が本当に悪い奴も居れば、実は復讐される方が良い奴で、依頼した方がすんごく悪い奴でも良い。
地獄少女はとにかく淡々と機械的に、ターゲットを地獄送りにして行く。
そういう、不気味な復讐代行システムが存在する世界。それで良いのではないか?




見所





閻魔あい



つぐみ
ニャー!


カテゴリ:地獄少女