今回はお約束的展開で話を進めていたが、才人のキャラクターを立てないまま「ルイズが召喚した才人は、物凄い力を秘めた使い魔なんだよ」と説明されても面白くもなんとも無い。
アバンで才人が召喚されるまでの経緯を説明していたが、僕としてはどういう経緯で才人が異世界に行ったのかはあまり重要視しない。
むしろ召喚される前の才人がどういう性格で、どういう生活していたのかを重要視する。
何故かと言えば、才人は異世界に飛ばされた当日に一回逃亡失敗しただけでルイズから逃げ出す事を諦めてしまった理由や、食事の時にルイズ達とは違う粗末な食事に甘んじた理由や、ギーシュとの決闘でボッコボコにされたにも関わらず何度も立ち向かった理由の説明が付けられないからだ。
特に、たった一回の逃亡失敗で逃げないで大人しくなる諦めの良さとギーシュとの決闘で見せた諦めの悪さが矛盾している。
どうして逃げる事を簡単に諦めるような人間が、理不尽な理由で売られた決闘を諦めずに続けるのだろう?
もし、例えば才人が負けず嫌いという性格ならば、それを予め見せた上で、逃亡劇を何回も演じて見せなければならないだろう。(逃亡失敗=日本に帰れない=才人の負けという図式を才人の脳内に描かせればOKかと。)
そうすれば、決闘の諦めの悪さも納得できる。
それに何度も逃げる事で、魔法学校周辺の環境や世界が見えるようになって、次第に「こりゃ逃げても無駄だ。ここは地球以外のどこかの惑星だか次元にある世界で、どうあがいても日本には戻れないな」と才人(視聴者)が理解できると思う。
この手の作品は「異世界から召喚された者は、何かの目的を達成するまで元の世界に帰れない」という設定である場合が多い為、その手の作品を多く見ている人にとっては、どうにかして元の世界に帰る努力をする者の姿を見て、無駄な手順を踏んでいるように見えるかもしれないが、僕はこういう手順は踏むべきだと思う。
元の世界に帰る努力をする姿の見せ方で、例えば諦めが良いのか悪いのか、どういう方法で帰ろうとするのか?魔法的なモノか?メカ的なモノか?自然現象的なモノか?で、その者のキャラクターを見せる事が出来るからだ。
話が逸れてしまったが、今回はAパートで才人が召喚される前の生活を描いて、Bパートで異世界での才人の悲惨な生活(ルイズの召使としてこき使われ、食事も満足に出来ず、逃げようとしても魔法で痛い目に遭わされる等々)を面白おかしく見せて欲しかった。
例えば才人が金持ちのお坊ちゃまだったら面白いかもしれない。
Aパートでは身の回りを召使たちにやらせて、豪華な食事を摂り、リムジンで学校に送迎され、学校では金に物を言わせて威張り散らす嫌な才人を見せて、B パートでは召使以下の扱いを受け、食事は椅子に座るどころか、地べたで食わされる才人を見せてくれたら、僕だったらざまあみろ。もっと痛い目に遭え!と笑い転げるだろう。
(悪趣味と思うかもしれないが、嫌な奴、悪い奴が痛い目にあう姿を見るほど、面白いものはない。ケロロ軍曹のケロロ然り、ど根性ガエルのひろし然り。)
折角異世界を舞台にした作品なのだから、元の世界と異世界とのギャップを見せて欲しかった。
このギャップを上手くこなした作品に「エルフを狩るモノたち」があったが、あんな感じでやったら面白くなるのではないかと思う。(ただ、ゼロの使い魔は冒険モノではなさそうなので、すぐにネタ切れになってしまうと思うが・・・)
文句をダラダラと書きつつも、世界観やキャラクターは嫌いではないので、視聴を続けるつもりだ。
カテゴリ:ゼロの使い魔