どうしても引っかかってしまう。
郵便配達人のおじさんがどうしてアリアカンパニーのゴンドラを借りようとしたのだろう?
そもそも、郵便局に予備のゴンドラは無いのだろうか?
常識的に考えるのであれば、予備のゴンドラがあってしかるべきだろう。
(郵便はネオヴェネツィアにおいて、市役所や公園などと並ぶ、重要な公共サービスであると思われるからだ。という事は「予備のゴンドラが無いから配達でき ませんでした」という言い訳は絶対に許されるはずは無い。という事は、予備の
ゴンドラが無いのはおかしいという事になる。)
おじさんは予備のゴンドラを使えば良かったのではないだろうか?
また、郵便回収方法にも引っかかるものがあった。
僕はあんな方法で回収するのは大問題だと思った。
誤って川に落として沈めてしまったらどうするのだろう?
投函した人の気持ちが篭った手紙を川の中に沈めてしまったら、それこそあて先人に届かなくなってしまうのではないだろうか?
街角にポストを立ててそこから回収するだけで、少なくとも回収時に手紙を水没させる危険が無くなるのだ。
どうしてあんな所にポストを設置するのだろうか?
恐らく、効率や地理的状況からああいう構造にせざるを得なかったのだろうが、だったらおじさんはゴンドラから棒を使って回収するのではなく、自らポストに 行って回収しなければならない。
そうでなければ、おじさんがアカリに言った感動的な言葉が嘘になってしまう。
大切な手紙を預かり、配る事を誇りとしているのならば、それくらいするのは当たり前だと思う。
もしかして郵便物回収袋が防水加工になっていたり、封筒や手紙やインクが防水加工になっていて、万一水にぬれても問題なかったりするのだろうか?
いや、それだったらアカリが郵便物回収袋を川に落としそうになってもおじさんは慌てたりしないはずだ。
あと、結婚する教師に手紙を渡したい少年についても今一つすっきりしなかった。
おじさんは「自分で届けるか?」と少年に聞いて、少年が届けたいと言ったにも関わらず、おじさんが手紙を届けてしまった。
普通なら少年自身に手紙を届けに行かせ、ついでに祝いの言葉も言わせるだろう。
そうしなかった理由としては、その後のシーンでゴンドラで先生に会わせるからだ。
「手紙は気持ちを託すツールなんだよ」というのが今回の話のテーマだと思っていたのだが、結局は「気持ちは手紙でも伝わるけど、やっぱり直接会って話した ほうが良いね」となってしまっていた。
教師と生徒の感動的な対面を優先する為、テーマを変えてしまったら意味が無いと思う。
僕だったらこうする。
少年の口上を聞いて手紙を受け取ったら少年を残して教会に配達に行く。
教会に行ったものの、既に式は終わっていて新郎新婦はゴンドラで旅立ってしまった。
少年の後悔の念を知っているおじさんとアカリは、必死になってゴンドラの行方を捜す。
途中でアイカ達に出会い、新婚旅行に向かう新婚カップルを空港に送った事を聞き、急いで空港に向かう。
新婚旅行に向かう新婚カップルが搭乗するギリギリになって、アカリ達が手紙を渡す。
おじさんに差出人の名前を聞き、新婦がびっくりする。
自分の手を焼かせた生徒からの手紙には何が書かれているのだろう?
ドキドキしながら手紙を読む新婦。
手紙に生徒の本当の気持ちが綴られており、新婦は感動の涙を流す。
これだったら「手紙は気持ちを託すツールなんだよ」というテーマに沿っていて、更におじさんが郵便配達&回収を一日たりとも休みたくないという理由も表現 できると思うのだが、いかがだろうか?
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