水曜日, 9月 20, 2006

つよきす Cool×Sweet 第12話

全然面白くなかった。
レオへの告白かと思いきや、大演説会で一人芝居をやってどういう訳か生徒会長になってしまうという超展開に呆れてたが、それ以上に呆れたのが最後のオチだった。
僕は最後のオチを見て、この作品は近衛素奈緒を主人公とした作り話だった、と解釈した。
素奈緒が演劇に情熱を傾けていたのも、レオに恋心を抱いていたのも、全て台本通りだったのだ。
今まで見続けてきた自分が馬鹿のように思えて仕方が無かった。
これでは夢オチと殆ど変わらないではないか?
脚本家は一体、何を考えてこういうオチにしたのだろうか?
それとも、原作自体だこういう終わり方をするのだろうか?

それはそれとして。
結局のところ、乙女が何を思って素奈緒とレオをけしかけたのかが全く分からないままだった。
もちろん、2人をくっつけようとしている事は分かっているが、どうしてそうしたいのかが分からないままというのは問題だと思う。
素奈緒も素奈緒で、どうして今まで演劇に拘っていたのか、自分の中ではっきりと答えを出さないまま、終わってしまった。
もちろん、レオの為、というのは読み取れるが、それを間違い無いものにする為の描写が欲しかった。
例えば、家族や先生や友達に演技の上手さを褒められるよりも、レオの情熱のこもった「大根みたいでカッコイイ!」という言葉が一番印象に残った、といった回想があれば良かったと思う。
あと、今回の話で一番訳が分からなかったのが、大演説会において、メインキャラクターの殆どが素奈緒が大演説会に参加する事を期待していた事だ。
恋愛関係で学校をサボる上に、何時の間にか演劇部を作る事を諦めた素奈緒に、どうして彼等は期待したのだろうか?
しかも演説とは言い難い、訳のわからない一人芝居をしたのにどういう訳か素奈緒の勝利になってしまった。
今までのエピソードの中で最も理不尽な出来事だ。
ギャグシーンならともかく、シリアスシーンなのだから、素奈緒は不合格になるべきだった。


最後に全話通して見て思った事を。
この作品は、コメディ作品としても恋愛作品としても中途半端だったと思う。
コメディならコメディ、恋愛なら恋愛とはっきりと分けた方が話としても作りやすかったのではないかと思う。
例えば、コメディだったら素奈緒vs生徒会の対立を最後まで続けるような話(結局は演劇部は創設されないまま。演劇部の代わりに園芸部を創設した。とか、とにかく下らない終わり方の方が良いと思う)にして、恋愛だったら、素奈緒、乙女、レオの三角関係を中心とした話(他の連中は顔見せ程度で、3人の恋愛は「君が望む永遠」とか「Canvas2」のようなクソな恋愛話じゃなければ何でも良い)にすれば良いと思う。
また、キャラクターが異常に多すぎた上に12話構成だったので、キャラクターの掘り下げが碌に出来ないまま、話を進めてしまったのが良くなかったと思う。
素奈緒、乙女、レオの3人を集中的に描写するべきだったと思う。
あと、ツンデレを売りにした割には、素奈緒にも乙女にも椰子にも蟹にもエリカにも誰一人としてツンデレ臭を感じ取る事が出来なかった。(単純に、僕の思うツンデレ像と合わなかっただけなのだろうが)

今秋から始まる新作アニメには、エロゲー原作のラブコメ作品がいくつか放映されるようだが、つよきすのようなつまらない作品が少数である事を祈りたい。




カテゴリ:つよきす Cool×Sweet